ひたすら待つのみ:Alain Barthélémy「Time Extended」


Alain Barthélémyの「Time Extended」.場所は Fach & Asendorf Gallery

「時間が延長された」というタイトルの個展.Alain Barthélémy については,調べたけれど情報が出てこなかった.個人のページに行くと,風景画像の中央に「hello@alainbarthelemy.com」とあるだけ.

「Time Extended」のページにいくと真っ白な画面にURLが書いてあるだけ.カーソルを合わせると,白黒反転するだけ.URLをクリックするとそのサイトにとんでそこに「作品」がある.




「Time Extended」で問題なのは,URLが表示されているページのアドレスバーにある.アドレスバーには「http://fa-g.org/special/alainbarthelemy-timeextended/#32.3%」のような感じで,「/#32.3%」という数字がある,最初は「/#99.9%」でこれがどんどん減っていく.ある程度減っていて,「/#15.3%」くらいや「/#0%」になると,次のURLが表示される.

URLをクリックした先の作品は延々と「Floooooooooow」をスクロースするものだったり,上の画像の作品は,「色のコード」と対応した色が文字の色になっており,それが高速に切り替わるというもの.といったように,ワンアイデアなものが多い.だから,「Time Extended」は「待ち時間」を考えるための作品なのかなと思う.

ネットの通信が「はやく」なり,「待ち時間」ということをあまり意識することがなくなった.あるいは,ちょっとでも「待ち時間」があると,「もういいや」と次にいってしまう.GIFが流行ったのが待ち時間がなく,再生時間も短いからというのとは,真逆の作品である.「Time Extended」を体験しても,「のんびりとしたネットの時間がいいな」とは思うことはなくて,「早く次!」だったり,「他のサイトに行こう」としたけれど,次の作品見たさやURLが切り替わる瞬間を見たいという気持ちもあり,じっと我慢してディスプレイを見つめたのは面白かった.という意味では,「時間が延長」というか「間延び」した感じを味わえる作品である.

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