「インターフェイス」は何かと何かのあいだの界面のことである
インターフェイス 「インターフェイス」は何かと何かのあいだの界面のことである.もともとは化学の用語であったが,今では「社会と大学のあいだのインターフェイス」のようにふたつ以上の物事があるところには,この言葉が多く使われるような状況になっている.しかし,「インターフェイス」という言葉から真っ先に思い浮かべるのは,ヒトとコンピュータとのあいだにある「マン-マシン・インターフェイス」や「ユーザ・インターフェイス」であろう.私たちが日々触れているコンピュータのキーボード,マウスやディスプレイ,アイコン,スマートフォンのタッチパネルは,ヒトとコンピュータとをつなぐインターフェイスであるけれど,それらをコンピュータの使い勝手を決めているものにすぎないと考えてはならない.インターフェイスはもっと大きな役割をもっているのである.スマートフォン以降のインターフェイスデザインを扱った『 UI GRAPHICS 』で,ウェブデザイナーである中村勇吾は「動きから『質感』を生み出すUIデザイン」というインタビューにおいて次のように応えている. 情報やデータという無形の世界と,人間側にある有形の世界の間には,両者をうまく取りもつインターフェイスが必要になってきて,その機能やレイアウトのデザインが「ユーザーインターフェイスデザイン」という表現になってくるわけです.(p.44) 中村勇吾「動きから『質感』を生み出すUIデザイン」 普段,私たちが意識するのはインターフェイスの「機能やレイアウトのデザイン」である.だから,インターフェイスを記述するときには「使いやすさ」や「格好良さ」という言葉が多く使われる.しかし,私たちはインターフェイスを介して,コンピュータが扱う情報やデータという「無形の世界」に触れている.中村が指摘するようにインターフェイスは情報の無形と私たちの有形の世界をつなぐ必要性から生まれたものであり,「デザイン」はそのための手段にすぎないのである.そこで,無形の世界と有形の世界のあいだのインターフェイスという観点から,ヒトとコンピュータとをつなぐユーザ・インターフェイスの歴史をみてみたい. 現在,私たちが使っているコンピュータのインターフェイスは「グラフィカル・ユーザ・インターフェイス(GUI)」と呼ばれている.GUIはディスプレイに「アイ...