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紀要論文「ふたつの光の合流───ライトボックスとロボットアームがつくる計算資源の場」

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紀要論文「ふたつの光の合流───ライトボックスとロボットアームがつくる計算資源の場」が掲載された「甲南女子大学研究紀要Ⅰ 第55号」が刊行されました.この論文は JSPS科研費 JP17H02286の助成を受けたものです 🛰 紀要論文の冒頭です🛰 🛰 アルフォンソ・キュアロンが監督した「ゼロ・グラビティ」は,光を自在にコントロールできるLEDライトボックスと精細にカメラを制御できるロボットアームというふたつのユニークな撮影装置を用いて撮影された.ライトボックスは物理法則に基づいた計算によってコンピュータ内に設計された微小重力空間の性質を保持した光を地球の重力下で演技をする役者の身体表面に「コピー」するものになっている.そして,仮想の微小重力空間におけるヴァーチャル・カメラの軌道を地球の重力下で再現するロボットアームに取り付けられたカメラが役者から反射した光を正確に捉える.さらに,カメラが捉えた光はコンピュータ内の微小重力空間を構成するひとつのオブジェクトとしての「役者」に貼り付けられて,地球の重力下での撮影でありながら,微小重力のイメージがつくられていく.  本論文はライトボックスとロボットアームというふたつの装置を使った撮影方法を考察しながら,計算で構成された仮想的な微小重力空間の光と地球の重力下の光が合流していき,すべてが計算資源とみなされる場が形成されるプロセスを探るものである. 追記と取り消し:2019/06/11 学術情報リポジトリにPDFが掲載されました. → ふたつの光の合流 : ライトボックスとロボットアームがつくる計算資源の場 いずれ甲南女子大学の学術情報リポジトリにPDFが掲載されると思います.紙で読みたいという方がいましたら,以下のフォームから申込ください.抜き刷りを発送します🛰🛰🛰 読み込んでいます...

科研費「アウタースペース/インナースペース/インタースペース・アートの美学」の研究報告会での報告

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研究分担者として参加している科研費「 アウタースペース/インナースペース/インタースペース・アートの美学 」の研究報告会(2018年8月20日@早稲田大学先端生命医科学センター)で報告をしました.報告の映画「ゼログラビティ」に関するもので,タイトルは「重力下で浮遊する微小重力表象をつくる」です.「ゼログラビティ」の撮影における「ライトボックス」と「ロボットアーム」の役割とその意義,および,ライトボックス内のリグに固定されたヒトとの関係を考察しました. 発表ノート: 重力下で浮遊する微小重力表象をつくる ゼログラビティの撮影方法から考えると,物理法則に基づいた計算で微小重力空間をコンピュータ内に設計して,その空間をライトボックスで物理空間に「移植」します.そして,移植された微小重力空間の光をライトボックス内のヒトに照射して,その光の反射をヴァーチャル・カメラの軌道を物理空間で再現するロボットアームに取り付けられたカメラが捉えます.さらに,捉えた光をコンピュータ内の微小重力空間の表象に貼り付けて,重力下にいるヒトが微小重力下で浮遊する表象が完成します.この計算で構成された仮想的な微小重力空間と重力下の物理空間との行き来がどんな意味を持つのかを考えています. 報告を終えてからの質疑応答で,撮影方法は複雑なのに出来上がった映画は普通に見れてしまうのはなぜだろうかという問いから,ヒトは視覚的に上下を把握しているだけではなく,体性感覚でも上下を把握しているなど有益なアドバイスを得ました.そして,研究代表者の前川修さんがコメントの際に言及していた  Cinema's Bodily Illusions: Flying, Floating, and Hallucinating   を早速買ってみたのですが,体性感覚について見る側からの考察がされてそうです.この本を読んで,見る側と制作側とを合わせたかたちで「重力下で浮遊する微小重力表象をつくる/見る」ことを考察していきたいです.