ディスプレイ上をぶらぶらする←


カーソルは記号でもあり,映像でもある.身体的なものであり,マウスやトラックパッドといったモノと結びついてもいる.言い換えれば,道具的.カーソルは,私たちに情報と行為を与える.図を同心円状に書いて,その中心にカーソルを置いてみたのがいけなかったのかもしれない.カーソルは1ヵ所に留まらない.あるときは記号であり,別のときは映像であり,手の延長であり,単なる道具としてありながら,私たちにさまざまな情報と行為を与える.中心に何かがあると思うことが間違っているのかもしれない.中心は空集合.何もないことを指し示すカーソル.何もないことを指し示すことで,記号/映像/身体/モノ/行為/情報と緩く結びつきながら,ディスプレイ上をぶらぶらする←.ディスプレイ上をぶらぶらしながら,形態を変化させるカーソル.カーソルが,私たちとは関係なしに,そのヴァージョンを変えていくこと.


このブログの人気の投稿

マジック・メモ:行為=痕跡=イメージの解体可能性

2046年の携帯電話と2007年のスマートフォンのあいだにある変化(1)

スケッチパッドで描く,ふたつの手(4)

出張報告書_20150212−0215 あるいは,アスキーアート写経について

スケッチパッドで描く、ふたつの手(1)

【2023~2024 私のこの3点】を書きました.あと,期間を確認しないで期間外の3点を選んで書いてしまったテキストもあるよ

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

2024年の振り返り

メディアアート概論(2024年度水野担当分)の授業資料

「グリッチワークショップ」を見学して考えたこと