スライド|情報美学概論A 第13回|もうひとつの世界

東京藝術大学 芸術情報センター:情報美学概論A
第13回|もうひとつの世界→スライド

関連するかもしれないテキスト:「↑」がヒトを試す

参考資料
ssuge さんの tumblr→sugelog

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テクスチャーは身体的で,その働きかけに呼応する言葉は「わかる」.物語は感情的,もしくは論理的で,その働きかけに呼応することは「理解する」.この違いは確かに面白いです.ここには言葉の「決まらなさ」と「精密さ」が出ているような気がします.言葉を書くことは,言葉をつなげていくこと.そのつながりは何も意識していなくても,精密になされているけれど,そこを意識する.つまり,言葉のつながりを意識して書いたときに,それを書く自分の思考も言葉のつながりの精密さに引き寄せられると同時に,それを読む人の思考も言葉によって整序される.(ここで私は「整序」という言葉を使ったが,普段使うことがない,おそらく今まで一度も使ったことがないこの言葉をなぜ,今,ここで使ったのかということはわからない)←このカッコのなかが言葉の「決まらなさ」でもあると思う.他者の書いた言語には,そこに確実に「決まらなさ」があるけれど,自分の書いた言葉にもそこには確実には,自分がすべて決めたとは言い切ればい「決まらなさ」がある.それは言語が「精密」なシステムであるがゆえに,それを使うヒトが入り込むことができない領域が(ここでも最初「部分」と書こうとしたのをやめて「領域」と書いた)あるのだろう.(なぜ「だ」ではなく「だろう」と書いたのか,わからない).

「可視化」とか「変換」が構造(アーキテクチャ)の言説に依存するのか? なぜ,それがもてはやされているのか.そして建築を学んでいる学生のひとりがその状況を「すごくすきではないです」と書くのか? 「可視化」するというのは「空間化」することで,空間には「構造」が必要ということでしょうか.あるいは「構造」の言説に依拠することによって,無理やり空間に構造を与えて「可視化」もしくは「変換」する.言語という構造を用いて,どうにか可視化できるものは,可視化する必要がないのではないだろうか.それは結局,言語の構造でしかない.言語なしは見ることができない.

至るところに言語が食い込んでいく.言語の流れを整えること.言語の一次元の流れによって,意識を整えていくこと.その中に収まりきらなかったものが,「インスピレーション」という名前を与えられて出てくる.しかしそれもまた,言語の流れの中に回収される.言語,もしくは記号のつながりを精密にデザインすること,配置することによって,ヒトの意識・思考をハッキングすること.圧倒的な暴力性をもって,もしくは心地良さをもってヒトの意識をハッキングすする.ハッキングされた意識に自由意志はあるのか,ないのか.そもそもハッキングってなんなのか? 目的もなく流れだけがあること,流れの方向だけがあること.「→ → →」これだけで,意識はハッキングできるのではないだろうか.目的地,対象物がなくても流れの方向だけがあること.それだけでいいのではないだろうか.方向を決め,流れに呑まれることから,目的や対象が生じる.そして,つながりが生まれる.

終えて
ICCの畠中実さんが企画した「可能世界空間論」と「みえないちから」とふたつの展覧会の連続性を考えることで,メディアアートが示す世界観の変化があるのではないかと考えて構成したのが,今回の講義だった.つながりを示すために「量子力学的世界観」を参照しようとしたのだが,それは必要なかったと反省している.「量子力学的世界観」を持ち出さなくても,「言語」について考えて,池上高志さんが書いているように「決まらななさ」と「精密さ」を示したり,保坂和志さんの小説論を提示すればよかった.この回あたりから,保坂さんの小説論もインターフェイスやメディアアートを考えるときのひとつの軸になるのではないだろうかと考え始めている.

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