札幌国際芸術祭のメモ:松江泰治とラファエル・ローゼンダール




札幌国際芸術祭で見た松江泰治の作品.高解像度で撮影された街の写真がスクロールしていく様子を見ていて,ラファエル・ローゼンダールのaesthetic echo .comを思い出した.ローゼンダールの作品は俯瞰から街を見たものではなかったのだが,スクロールの感じが松江泰治の作品と似ているように思った.ローゼンダールの新作neo geo city .comは俯瞰から街を捉えてスクロールさせているので,松江作品と本当によく似ている.



スクロールの感じが似ている言っても,ひとつは高解像度画像でループの映像もうひとつは解像度にとらわれないベクター画像でランダムに生成されていく映像でスクロールされていく映像は全く異なる.でも,スクロールの感じは似ている.この似ている感じの根底にあるのは何なのかということを考えているのだが,未だによくわからない.「根底につながり」なんてものはないのかもしれないが,そこをつなげて考えたいとさせる「類似」関係がこのふたりの作家の作品にはあるように思われる.

Google Earthの俯瞰写真からのMAPへのベクターで描写された地図への切り替えという体験で,松江とローゼンダールの作品のあいだの関係を考えてみると面白いのかもしれない.


このブログの人気の投稿

【2023~2024 私のこの3点】を書きました.あと,期間を確認しないで期間外の3点を選んで書いてしまったテキストもあるよ

マジック・メモ:行為=痕跡=イメージの解体可能性

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

映像から離れていっている

出張報告書_20150212−0215 あるいは,アスキーアート写経について

「グリッチワークショップ」を見学して考えたこと

画面分割と認知に関するメモ

カーソルについて何か考えたこと,または,エキソニモの《断末魔ウス》《ゴットは、存在する。》の感想

矢印の自立

アンドレアス・グルスキー展を見て,谷口暁彦さんの習作《live-camera stitching》を思い出しました