GIFアニメーションに関するメモ
「GIFアニメーション」と呼ばれるが,その「アニメーション」の部分はクールジャパンで言われているアニメーションではなく,「動き」そのものを現している.だから,アニメーションとしてこれまであまり考えられてこなかった.しかも「動き」と書いたが,それはとても短い時間でループし続けるものでしかないので,あまり動かないと言えば動かない.だから,GIFアニメは「アニメーション」として見なされずに,「Web上でカクカク動くモノ」という存在であった.
けれど良く言えば,その短さゆえに「動き」の最も面白い部分を抽出しているとも言えるので,もっとも「アニメーション」らしい表現とも言える.しかし,その動きはカクカクしている場合が多い.そのカクカクさは,YouTubeなどにアップされたアニメの動きの滑らかさとは異なる.動きの解像度の低さゆえに,「動き」という部分が強調されるということが起こっている.というよりも,GIFアニメは「動き」しか楽しめるところがないとも言える.
カクカクした動きはGIFが圧縮画像であることが生じている.データを圧縮して「軽く」する.その際に,画像は劣化する.それでもインターネットはより多くのデータをより早く届けることを良しとするがゆえに,「劣化」を受け入れる.だから,GIFアニメは「劣化」した「動き」を示しているとも言える.しかし,それが新鮮に受け取られている.「動く」というアニメーションの基本の部分に,デジタル特有の「圧縮」が入り込み,それが好意的に受け入れられている表現としてGIFアニメを捉えることで,アニメーション概念の拡張が図れるのではないかと考えてみる.