ISEA2014_500w の日本語訳

5月にISEA2014に提出した500 wordsのアブストを訳してみた.インターネットヤミ市関係者にインタビューを終えた今,まだまだ考えることはあるし,それを英語にしていかないとならないなー.
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This paper discusses some differences between English language regions and Japan about a relationship of real world and the Internet for the art. 'Send Me the JPEG' at Winkleman Gallery or a digital art auction 'Paddles ON!'and 'the Internet yami-ichi [the Internet black market]' show each relationship between the physical and the Internet in English language regions and Japan.

[私はリアルとオンラインの関係について英語圏の地域と日本とのいくつかの違いを考えたい.Winkleman Galleryの'Send Me the JPEG’ 及びうデジタルアートのオークション'Paddles ON!’とインターネットヤミ市とのあいだにあるちがいは英語圏と日本でのアートにおけるインターネットとフィジカル空間との関係のちがいを示している]

In 'The Aesthetics of Net.Art,' Julian Stallabrass described that; "The ‘objects’ of Internet art are far from being conventional art objects. They are not only reproducible without degradation but are almost free to transmit." This point is concerned with the immateriality of art; the internet art can show artworks as almost perfect copies anywhere because of its immaterial nature. It means that Internet art has no "original"; it is a huge difference from contemporary art that must have the original because of its physicality. However, contemporary art is getting the immaterial nature and stepping on the Internet.

[『ネットアートの美学』において,Julian Stallabrassは「インターネットアートの「オブジェクト」は従来ののアートオブジェクトとはかけ離れている.それらは劣化なしで再生産できるだけでなく,ほとんどコスト0で送信することができる」と指摘している.これはアートの非物質性についての考察である.インターネットアートは非物質的な性質ゆえにどこにでもほとんど完璧なコピーとして作品を表示できる.このことはインターネットアートには「オリジナル」がないことを意味する.その物質性ゆえに必ずオリジナルを持っている現代美術とのインターネットアートの大きなちがいがここにある.しかし,現代美術はどんどん非物質化して,インターネットに入ってきている.]

Art Galleries that are aware with the Internet uses it in order to spread the JPEG image instead of the original work.  Even though 'Send Me the JPEG' is the satirical exhibition for the art world trend that is from the material to non material, the art market begins to evaluate the value of immaterial - online artworks.  For example, Digital art auction 'Paddles ON!' says; "Phillips' "first digital art auction" and featured webcam video files, GIFs, websites, and pieces of code alongside a handful of prints and sculptures." Art market in English language regions brings the Internet as not only a new transmission system but also a new value system for the immaterial artworks into the physical art world. Consequently, the non-physical art work that has no physical original is getting highly economic value.

[インターネットを意識するアートギャラリーはオリジナル作品の代わりにJPEG画像を拡散させるためにネットを使っている.'Send Me the JPEG’は非物質的方向に向かうアートワールドのこの流れに対して風刺的な展示であるが,アートマーケットはオンライン上の作品,つまり非物質的なものへの価値を評価し始めている.例えば,デジタルアートのオークション 'Paddles ON!’は「はじめてのデジタルアートオークション」であり,ウェブカムのビデオファイル,ウェブサイト,多くのプリントや彫刻とともにあるいくつかのコードを取り上げる]としている.英語圏のアートマーケットはインターネットをあたらしい伝送システムというだけでなく,非物質的な作品のためのあたらしい価値システムとしても物理的なアートワールドに組み込んでいる.結果として,物資的なオリジナルをもたない非物質的なアート作品が徐々に高い経済的価値を持ち始めている.]【ここでの「場所」の意味を考えること!】

The Internet yami-ichi is the art free market organized by IDPW that is a secret society on the Internet established in 1913. Although the art world in English language regions uses word 'free' as 'cost zero,' the Internet yami-ichi says the Internet is free, which means that the internet is freedom. The Internet yami-ichi may express a sense of freedom of the internet. The freedom of the internet comes from its non-physical nature. The Internet yami-ichi presents the immaterial sense of the internet on the real place likewise "Send me the JPEG" or digital art auctions; however, there is the freedom is more important than the cost-zero because Japan has no art market. In contrast to the art world focusing the economic value of the immaterial artworks, the internet yami-ichi transfers the freedom sense of the Internet into the physical place that people does not consider what the economic values is. As a result, Japanese artists have to make own market = black market; It becomes the location for bringing out many people from the Internet and linking them positively on the physical world. As a result, the Japanese word 'Yami' is  usually negative meaning; however, the internet yami-ichi turns the positive one.

[インターネットヤミ市は1913年から続く秘密結社IDPWによってオーガナイズされたアート・フリーマーケットである【「アート」はとるべき】.英語圏のアートワールドが使う「フリー」は「費用がゼロ」という意味だが,インターネットヤミ市が「インターネットはフリー」といったときは,インターネットを「自由」ということである.インターネットヤミ市はインターネットの自由の感覚を表現している.インターネットの自由さもまたその非物質的な性質からきている【リソースがあるためにおこる自由.頼まれてもいない余計なことを受け入れるリソース】.インターネットヤミ市は,"Send me the JPEG”やデジタルアートオークションと同じようにインターネットの非物質的な感覚をリアルな場所に落としこんでいる.しかし,日本にはアートマーケットがないために,インターネットでは作品提示にほとんど費用がかからないということよりも「自由」が重要視される.アートワールドが非物質的な作品の経済的な価値に注目するのに対して,インターネットヤミ市はインターネットの自由さをリアルの物理的な場所に持ち込み,そこでは参加者は何が経済的な価値なのかを考えることがない【資本主義とは異なる「いいね!」するような投げ銭経済?】.結果として,日本のアーティスト【ネットを中心に活躍するアーティスト?】は独自のマーケット=ブラック・マーケットをつくることになる【つくったことになる(過去形).独自のマーケットとしての「コミケ」への注目】.それはインターネットから物理的世界に多く人々を連れてきて,積極的に結びつけていく.つまり,日本語の「ヤミ」は普通ネガティブな意味で使われるのであるが,インターネットヤミ市の「ヤミ」はポジティブな意味で使われているのである.]

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前回のアブスト
[私はリアルとオンラインの関係について英語圏の地域と日本とのいくつかの違いを考えたい.Winkleman Galleryの'Send Me the JPEG' とインターネットヤミ市とのあいだにあるちがいは英語圏と日本でのアートにおけるインターネットとフィジカル空間との関係のちがいを示している]

['Send Me the JPEG'はフィジカルとオンラインの関係からうまれるアートワールドのトレンドに対して皮肉的な展覧会になっている.アートコレクターがアートワークに接する際,作品のJPEG画像だけを見るだけになってフィジカルがスキップされる傾向にある.アートマーケットが拡大するからWinkleman Galleryはこの傾向を受け入れているが,多くのコレクターがインターネットのJPEG画像だけで作品を買うことには懐疑的である.アートワールドとインターネットとのあいだのこのような両義的な関係を 'Send Me the JPEG'では展示している.]

[インターネットヤミ市は1913年から続く秘密結社IDPWによってオーガナイズされたフリーマーケットです.インターネットはかつては自由であったけれど,今では非常にコントールされた空間になってきていて,その結果,フィジカルな空間なほうがネットよりもオープンになってきているとヤミ市のオーガナイザーは言っています.だから,このヤミ市はリアルと豊かなコミュニケーションをあわせて盛り上げるものになっています!]

[これらのことから,英語圏におけるネットとフィジカル空間との関係はとても懐疑的なものなのに対して,日本ではとてもポジティブなものになっているといえる.この態度の相違は,その地域にアートマーケットがあるかないかということになると考えられる.日本のアーティストがネットの存在に懐疑的にならないのは,そもそも日本にアートマーケットがないからである.だから,彼ら/彼女らは自らのマーケット=ヤミ市をつくらなければならなかった.そして,そのヤミ市は多くの人たちはインターネットから連れ出し,リアルの場でポジティブに結びつけたのである]

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