手|電波|iPhone|計算式|イメージ



Apple より

Apple より



Touch-lab より




































iPhone 4 の電波の減衰と損失の問題は興味深い.
手で持つことを前提とした道具であるにも関わらず,手が道具に影響を強い影響を与えていること.しかも,影響を与えるのが電波という目に見えないものであること.さらに,問題の解決策としてAppleが真っ先に行ったのはソフトウェアアップデートによる「電波強度バーの表示数を決める計算式」の改良と,それにともなう「電波強度バー」のデザインと表示の変更であること.

「手」というモノの「密度と組成」が他のモノよりも大きく電波の減衰と損失に影響を与えていることは面白い.もしかしたらコワイのかもしれない.私たちは電波に取り囲まれ生きているわけで,これはもう後にはもどれないと判断した身体が自ら電波を取り込み始めていると考えたら,すこしコワイ.そんなことはないにしても,ヒトの身体が電波に大きな影響を与える物理的なモノであるということが示されているだけで,この問題は物理世界の中にあって身体をもつヒトが特別な存在でなく,モノ同士の全体的な相互関係にあることを教えてくれる.

目に見えない電波を「見える」ようにしていた「電波強度バー」.私たちはこのバーを見ながら,電波の状態を「ああだこうだ」と言っているわけだが,その背後にはその表示を導く「計算式」があることは普段,全く意識していない.表示されているものだけで判断してしまう.計算式が間違っていると言われてても,それがどう間違っているのかどうかはピンとこない.だから,Apple は電波強度バーの「見え方」をほんの少し変えた.この計算式と共に見え方も変えるというAppleの判断は,私たちが見えないモノ(ここでは電波や計算式)をスクリーン上の見えるイメージの印象で認識していることを示している

電波の減衰と損失をテストした動画は.すべてを見せているようで,やっぱり見えない電波と計算式はどうなっているのかはわからない.でも,電波強度バーのところは4倍に拡大されて,しっかり見えるようになっていて,iPhoneの握り方との相関関係をしっかり示すバーの数を表示しているので,何となく納得してしまう.「そうなんだろうなぁ」と思ってしまう.

手という私たちの身体の一部で,目に見えるモノが,iPhoneという目に見えるモノに出入りする電波という目に見えない物理的存在に影響を与える.その影響を計算式というこれまた目にすることがない存在が,電波の強さをはじき出し,それをディスプレイ上のイメージとして表示する.そして,その表示を私たちは見る.ここでは「手|電波|iPhone|計算式|イメージ」がそれぞれに関係している.

「手|電波|iPhone|計算式|イメージ」がひとつのコードとして「通話」を機能させるのだが,ヒトはその中で物理的なモノとして電波に影響を与える.そして,ディスプレイ上のイメージの挙動にも影響を与えている.この影響関係は同時には起こっていない.この「あいだ」に計算式があり,これによって何とでもモノへの影響と,イメージの影響の関係は何とでもなってしまう.Appleはまず「計算式」を変えた.そして,「イメージ」を変えた.最後は,「iPhone」を変えた(バンパーを無償で提供).ここでひとつ思い出した.ジョブズ本人からのメールかどうかは怪しいが,この電波問題のもうひとつの解決方法「そう持たなければいい」.これは「手」を変えている.ということは,あと試されていない解決策は,「電波」を変えるしかない.これはどこの国でも実は,一番大問題だったりするのではないだろうか.

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