Clement Vallaの展示「Surface Survey(表面の調査)」
写真からの3Dモデリングに注目したClement Vallaの展示.展示タイトルが「Surface Survey(表面の調査)」となっていて,考古学的な視点で「写真からの3Dモデリング」を見ているところが興味深い.ここで調査されている表現は,過渡期のものでしかないから,今しか存在しないものなんだろうなと思う.だからこそ,視点を50年後にとって,「考古学的」に眺めるのは正しいと思う.ヒトには見えていないけれど,複数の画像からコンピュータが「見た(=処理した)」ものはやはり興味深い.
「考古学的」視点ではないけれど,3Dスキャンが写真のように当たり前になったと仮定して「日々の記録」を行った谷口暁彦さんのプロジェクトもVallaと同じ感覚から生まれているように思われる.
以前,その谷口さんがつくったPVを題材にして3Dスキャンについて書いた記事→Googleの新プロジェクト「Tango」と、Holly HernDon氏と谷口暁彦氏によるミュージック・ビデオ「Chorus」に見る「3Dモデリングという表現」の可能性
ここでは「裏からの視点」ということを書いているけれども,裏も表も「面=Surface」であって,3Dモデリングや3Dスキャンの対象には「裏」も「表」もなくて,ヒトがそこに映っているものを「表」「裏」と認識しているにすぎない.ここにも「グリッチ」のようなヒトとコンピュータとのあいだの認識のちがいが存在しているのではないだろうか.
上の展示を知るキッカケになったRhizomeの記事→Some Sites and Their Artifacts: 123D Catch