メモ:Artie Vierkant Usage Pendingに関するメモ
ニューヨークのHigher Picturesで開催されているアーティ・ヴィアーカントの展示から.アーティが今までやってきたimage-objectsとExploitsというふたつのシリーズを合わせた展示なっている.
image-objectsは展示したブツの画像を加工したイメージとセットで見せるというか,加工したイメージの方がインターネットで多く見られるよねというもので,Exploitsシリーズは「知的財産」に関するもの.個人や企業がもっている「知的財産」をアーティが彼らに交渉して使えるようにするもの.
今回の展示ではおそらくPolaroid社のロゴを使ってimage-objectsを作成していると思われる.そして,それはロゴをつかっているということでExploitsシリーズにもなっていて,交渉はうまくいっているみたいだけれど,最後のつめが残っていること,ということがプレスリリースに書いてあった.
image-objectsシリースは展示されているモノを加工してネットに流すから,今回もモノがとてもボカされているのはまさにアーティらしいな感じがしていたのだけれど,プレスリリースを読むと今までよりもひねってある気がする.それは今回の「ボカシ」加工が「知的財産」に関わるという実際的(アクチュアル)な問題で行なわれているのではないかと考えてしまうから.
アーティの活動をおっているとモノとイメージとの境目がわからなくなってくるし,そこに社会的規範というか決まり事としての「知的財産」という,モノでありつつ,モノではなくアイデア=イメージの部分に関わるものを絡めせてくるのがうまいなと思う.
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エキソニモがGoogleの検索画面を描いた《Natural Process》は,最初はネットの画像を絵画というモノにして,それをまた画像化するプロセスだった.けれど,その後で再び《Natural Process》を展示しょうとしたときには,そこに「知的財産」ではないけれど,大人の事情が絡んできて,展示ができなかった.でも,その後,エキソニモはしっかりと《Natural Process》を個展でアップデートしていた.
ネットを流通していくイメージに「知的財産」がまとわりつくような感じは,ネットが「リアル」と等価値になっていく際には出てきてしまうものなんだと思うのだけれど,ネットがリアルに「負けて」しまったような感じがどこかにある.
でも,エキソニモもアーティもネットがリアルに「負けた」としても,表現行為ではそうは簡単には負けないぞという感じが,その活動から漂ってきていい感じです.