Sketchpad と iPad:「ふたつの手」を考えるためのメモ





Sketchpad と iPad を並べてみる.ふたつの手が映っていて,一方の手がディスプレイ上のイメージに直接的に働きかけているところが似ている.コンピュータのひとつの流れとして,Sketchpad のボタンとペンと組み合わせでディスプレイ上のイメージに直接的に働きかけるところからはじまり,GUI でのマウスとカーソルとの組み合わせを経て,私たちは再びディスプレイ上で手を動かすようになった.

Sketchpad ではボタンを押すこととペンを使うことで,ディスプレイ上のイメージを自由に描いていたのが,iPad では描くということは行っていないが,片方の手は装置を支えるだけで,もう片方の手がさまざまなジェスチャーでイメージを動かす.ボタンを押すことではなくジェスチャーをすることで,Sketchpad ではふたつの手の共同作業が必要であったものが,iPad ではひとつの手で行えるようになっている.iPad を支える手とディスプレイ上でせわしなく動く手.それは iPhone からはじまっていたこと.



片方の手はモノをしてのiPad, iPhone を持ち,もう片方の手はディスプレイ上のイメージと戯れる.モノとイメージとを同時に,直接的に感じ続けること.

このブログの人気の投稿

マジック・メモ:行為=痕跡=イメージの解体可能性

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

2046年の携帯電話と2007年のスマートフォンのあいだにある変化(1)

スケッチパッドで描く、ふたつの手(1)

【2023~2024 私のこの3点】を書きました.あと,期間を確認しないで期間外の3点を選んで書いてしまったテキストもあるよ

スケッチパッドで描く,ふたつの手(4)

出張報告書_20150212−0215 あるいは,アスキーアート写経について

「グリッチワークショップ」を見学して考えたこと

デスクトップ・メタファーと「ディスプレイ行為」 

「サブシンボリックな知能」と Doing with Images makes Symbols