お仕事:美術手帖 6月号「ポスト・インターネット」への寄稿
美術手帖 6月号「ポスト・インターネット」に「世界制作のプロトタイプ」展のレビュー「「リアル」と「インターネット」の密着を透かし見る方法」を書きました.「透かし見る」というのは,展示のことを考えていたら出てきた言葉です.「リアル」からかもしれないし,「インターネット」からかもしれないけど,どちらかでもそれは「もう,どっちでもいいよ」[マテリアライジング展Ⅲに提示されていた渡邉朋也さんのエッセイタイトル]という感じで,どちらからも透けて見えてるという状態は気に入っています.あと,今回の特集を読んでいて思ったという後出しですが,「リアル」から「インターネット」を透かした場合は,インターネットの透過光がリアルを通過するときに反射光の影響を受けるし,逆もまたあるということが思い浮かびました.こうやって,後出しでも次々に考えたことを書いていくことは重要な感じがしています.
それと「ポスト・インターネット用語集20」を高岡謙太郎さんと一緒に書きました.ここには「[インターネット アート これから]───ポスト・インターネットのリアリティ」展と「インターネットヤミ市」ことが書けてよかったです.日本の「ポスト・インターネット」的状況を考えるときに,これらを外すことはできません.これら展示・イベントフォーマットを海外の「ポスト・インターネット」な展示などと比較することは自分的な課題でもあります.あと,「new jpegs」 展のところに,「便秘をどうにかしたい!newjpegs」という,残念な言葉を入れられたのもよかったです.もう過ぎ去ったかもしれない「ポスト・インターネット」には,この「残念な」感じが漂っていたような気がします.「new jpegs」 展がドメイン更新しないで,「便秘をどうにかしたい!newjpegs」と放置しているのは微かに残る「ポスト・インターネット」の名残りかもしれないです.