インターネットヤミ市で手に入れたもの!
インターネットヤミ市からはや2週間.僕は「論文」を売っていたのですが,結構売れてよかったです.その場で「論文」が売れていくのも面白かったし,「論文」をつくるこことも楽しかったです.中綴じ印刷どうやるんだからはじまって,中綴じのために「ナカトジール」を買って,表紙のイラストをもらって,印刷して,まとめて,ナカトジールで綴じて,データをモノ化していくプロセスが新鮮だったです.
そして,ヤミ市で買ったのも,まさに「データ→モノ」という流れにあるものたちでした! まずは,山口崇洋さんの「myGSaV.zine(vol 1): 」.ストリートビューにあるグラフィティーを集めたZine.クリップ留めのため,自分でページの入れ替えや追加が自由にできるのです.紙なので見ていくと,折れやヤレがでてきていい感じになっていくでしょう.少し前にちょうどストリートビューや地図について考えていたので,それが「紙」になっているのがうれしくて,即買いでした.
「論文」を売っていた僕の右隣には,山口の岩石を売る渡邉朋也さん(開始すぐに岩石がは完売!)がいて,左隣は長らく空いていたのですが,途中から吉田裕紀さんが来て,売るものの準備していて,売りだされたのが下の「インターネット生写真」.スクリーンショットを撮って,そのデータをコンビニで写真プリントしたもの.これがなんとも言えない質感.なんか,ブラウザをスクリーンショットで撮るという時点で,機能を失った画像をつくり出し(しかも,このことについて考えていた),それをさらに紙にプリントしてしまい機能を失った画像に物質性を付加するということで,自分のなかでは二重に捻れた「ブラウザ」として即買いでした.
そして,データの物質化はまだまだ続き,左がエキソニモさんの「Web Designing次号の連載原稿」で,左がcooked.jpさんの「男性向けブラウザ」.「連載原稿」は文字通り「原稿データ」が入っていました.USBメモリだとMacに差し込んで開くまでドキドキしますね.「男性向けブラウザ」は,SDカードにデータが入っていて,こちらもワクワク&お世話になっております.
最後に,谷口暁彦さんから購入した「GIFアニメ(額付き)」.GIFに触れることができます,そして自分の手で動かせます! うん,よい手触りです.
最後に,インターネットヤミ市を主催したIDPWのエキソニモのセンボーさんのブログがヤミ市について振り返っていて,そこで[インターネット アート これから]に結びつけて,
あの時に「インターネット・リアリティ」=インターネットの現実“感”,と言ってたものがインターネットの現実“化”になったのがヤミ市というイベントだったと.と書いていて,僕の場合は[インターネット アート これから]以降に,恐らくこれをきっかけに回ってきた仕事とかで考えて,書いてきたことが文字通り「現実化=モノ化」していて面白かったなと思ったわけです.センボーさんが書いている「インターネットの現実“化”」は単純に「モノ化」ではなくて,もっと広い意味があると思うのだけれど,それはまた考えていきたいなと思うわけです.
そして,狭い範囲かもしれないけれど,何かが確実に変化していっているなかで,そのことを対象とした研究ができていることにとてもしあわせを感じています.
追記
gnckさんから「インターネット考古資料」のデータもいただきました! 早く見なくては(モノではなくデータで受け渡しがあるがゆえに,うっかり忘れてしまっていたのが面白い.もちろん,貴重な資料を頂いておいて忘れるなんて,本当に申し訳ないです) あと,takawoさんに[インターネット アート これから]への煽り文を依頼しました.もう煽れたかな.