告知:“ニュー”メディアアートの現在地~バイオアート×ネットアート×ハイブリッドアート

メディア芸術祭のラウンジトーク「“ニュー”メディアアートの現在地~バイオアート×ネットアート×ハイブリッドアート」にでます.

日時:2月12日(木) 19:00-22:30
会場:スーパー・デラックス

私の担当は【第2部】ネット×アートになります.
終りの時間が遅いですが,是非,聞きに来てください.
−−
以下は,現時点で考えている発表のメモです.

「“ニュー”メディアアート」と書かれているように「メディアアート」のあたらしい領域として「バイオアート」と「ネットアート」と「ハイブリッドアート」を考えてみるみたいです.「バイオアート」と「ハイブリッドアート」はともかく「ネットアート」は昔からなかったと思う人も多いと思います.私もそう思います.けれど,近年「ネットアート」的な作品の応募が増えてきたことから,メディア芸術祭は今回の応募から「ネットアート」をあらたな審査区分に加えました.だから,メディア芸術祭的には「あたらしい」領域をつくったということになります.

Google Ngram Viewerで検索してみても「net art」は2004年を境に一度使用頻度が落ちていますが,2006年から2008年にかけては上昇傾向にあります.この傾向は2014年の今でも変わってないのではないでしょうか.だから,メディア芸術祭に「ネットアート」的な作品の応募が増えていて,メディア芸術祭はあたらしい審査区分として「ネットアート」をつくったといえます.

「ネットアート」とは対称的に初期のネットアートの呼称であった「net.art」の使用率は2008年の時点でとても減っています.これは今の「ネットアート」が「net.art」とは異なるものとなっていることを示しているのかもしれません,

また,「ネットアート」に含まれるのか,あるいは「ネットアート」を含むのか曖昧な「ポストインターネット」という言葉は1990年−2008年のあいだでは目立った増加が認められません.この言葉がよく使われるようになるのは2010年代だと思われます.Google Ngram Viewerが「2008年」までしか検索できないので,このことは確かめることができません.「ポストインターネット」と呼ばれるアートの動向も「ネットアート」に含めるとなると,「ネットアート」はアートのあたらしい領域として認知してもいい状態になったと言えるのかもしれません.

でも,そうすると「ネットアート」という言葉が何を示しているのかが不鮮明になっていくでしょう.そういった「ネット」と「アート」の関係が不鮮明になったこととが明確になったのが「2014年」なのではないかと思います.そのようなことを初期ネットアートやポストインターネット・アートの事例を紹介しながら話せたらと思っています.


このブログの人気の投稿

「サブシンボリックな知能」と Doing with Images makes Symbols

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

マジック・メモ:行為=痕跡=イメージの解体可能性

画面分割と認知に関するメモ

『はじめて学ぶ芸術の教科書 写真2 現代写真ー行為・イメージ・態度』への寄稿

出張報告書_20150212−0215 あるいは,アスキーアート写経について

デスクトップ・メタファーと「ディスプレイ行為」 

2046年の携帯電話と2007年のスマートフォンのあいだにある変化(1)

2021~23年度科研費「生命の物質化・物質の生命化に関する理論調査と制作実践」成果報告会

MASSAGE連載09_小林椋《盛るとのるソー》 ディスプレイを基点に映像とモノのあらたな「画面」状態をつくる