お仕事:メディア芸術カレントコンテンツへの記事_20


ネットアートのパイオニアJODIの作品について,ネットアートの革新的良心(?)ラファエル・ローゼンダールが「実況」している映像についての解説を書きました.

記事にはうまく書けなかったけれど,ラファエルさんのこの試みはアーカイブ的にも興味深いと思います.ということでボツテキスト.
ネットアートのアーカイブに関しても,ローゼンダール氏のJODI実況は興味深い.ローゼンダール氏はゲームを題材にした《http://www.untitled-game.org/》にアクセスするのだが,そこ書かれていたのは「mac OS9」という文字である.それはこの作品が現状のMacOSでは動かないことを意味する.そこでローゼンダール氏はYouTubeにいき「jodi untitled game」と検索して,その作品が撮影された動画を探すことにする.ここでの彼の行為が示しているのは,作品がOSのバージョンの違いによって動かなくなることであり,同時に,その作品が「映像」としてYouTubeやVimeoなどの動画共有サイトに残っている可能性があるということである.ローゼンダール氏はJODI実況をJODIのアーカイブページを探すところから始めたのだが,最後になってJODIのアーカイブページである「http://joid.org/archive/」を見つける.そこにはJODIの作品だけではなく,作品に関する動画・画像を含んだあらゆるページヘのリンクがある.そして,ローゼンダール氏は見つけたアーカイブページをWikipediaのJODIのページに「Full archive of Jodi」というリンクを追加する.
そして,考えれるほど興味深いということで,ボツテキスト.「実況」が映し出す行為の連鎖みたいなものがあるのかなーと思います.
実況の最後の方で,ローゼンダール氏は《http://x20xx.com/》を体験しながら,映像作品のようにリニアに決定されているように見える作品もプログラムから生成されたものであることを指摘する.作品そのものではないが,ローゼンダール氏のJODI実況も決まった順路で作品を巡っていくのではなく,彼がリンクを行きつ戻りつしながら作品を見ていく様子をスクリーンキャプチャしたものである.それはリニアに決められたものではなく,ローゼンダール氏によるキーボード入力及びマウスクリックという行為とインターネットという構造体から生じるJODIを巡るひとつのプログラムのようでもある.JODIがインターネットというメディアによって変容した身体を意識した作品をつくり,その作品群をローゼンダール氏がコンピュータと向き合う際に普通に行っている行為の連続で紹介する.そして,多くの人がその映像を見つつ,カーソルを動かして再生の残り時間を確かめたり,ツイートなどをしているのではないだろうか.インターネットを媒介にどのように身体が変容したのかを考えるうえでもローゼンダール氏のJODI実況はとても興味深い. 

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