「ヨフ《Layered Depths》とともに考える「スワイプを介して生じる映像と空間との関係」 」の報告文が,日本映像学会の会報に掲載されました
九州産業大学で開催された日本映像学会第50回大会で発表した「 ヨフ《Layered Depths》とともに考える「スワイプを介して生じる映像と空間との関係」 」の報告文が,日本映像学会の会報に掲載されました. https://jasias.jp/wp-content/uploads/2024/10/JASIAS_NewsLetter201.pdf ヨフの《Layered Depths》を分析していった最後に,作品に即して,次のように書きました. 最後に,相即の感覚を伴う映像体験は情報的に生じている「擬似空間」で強く感じるものであり,そこでは映像と空間の関係を見るだけでなく,行為とともに考えることが要請されていることを主張して,発表を終えた. これはヨフの作品だけでなくて,映像作品全般を「行為とともに考える」ことが必要だという主張でもあります.映像を認知して,意識に生じる「行為」につながる感じを含めて,映像を分析する必要があるのではないかということです. インターフェイス体験が一般化してきた今では,映像は見て,認知して,何かしらの意味を生じさせるだけでなくて,何かしらの行為を引き起こすようになっていると考えると,映像の捉え方が豊かになるのではないかということです.言い換えると,「情動」という言葉で澄ますことができない,実際に行為に直結するベクションのようなことが,ベクションのようにあからさま形でなくても,映像を認知した際に意識に生じる「疑似空間」で起きているとした上で映像体験を記述しないといけないのではないという主張です.