ジョルジョ・モランディ展@兵庫県立美術館



モランディは影のつけ方とかを物理世界の認識を細かくパラメータ化して,その値を細かく変化させて描いたと考えると面白い.そして,パラメータの値が物理世界の閾値を超え得てしまうことがもっと面白い.見えているものが真実だったけれど,描くことは見えていることを超えたパラメータ設定ができる.絵を色の塊とみなして抽象化にいくのではなく,あくまでも物理世界と緊密な関係をもったパラメータの集合とみなすことで具体にとどまりながらも,しばしばパラメータの値が物理世界の閾値を超えてしまって抽象的な表現も生まれていた.晩年や制作の危機に陥ったときには,パラメータは物理世界を振り切ったというか,物理世界が物理世界であることを示す輪郭が揺らいだようになっていた.

そんなことを考えたのは,モランディを見ながら谷口さんとか永田さんなどの3Dシミュレーションを使った作品ことを意識していたからでした.最初はモランディにあまり興味はなかったのですが,見ているとどこか「3Dっぽい」感じして,それからはもっぱらモノと影の関係に引きこまれて,とても楽しく見ていました.最後には図録も買ってしまった.

このブログの人気の投稿

告知:第4回新視覚芸術研究会「デジタル時代の次元の折り重なり」【追記_2017/08/08】

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

新視覚芸術研究会第4回シンポジウム「デジタル時代の次元の折り重なり」の個人的振り返り

美術手帖(2017年9月号)にHouxo Que個展「S H I N E」のレビューを寄稿

サマーウォーズ:身体とアバターのデザイン(1)

デジタル時代の物質性 あるいは 単にPhotoshopのブラシ あるいは 単にブラシ

授業ノート:ディスプレイ時代の芸術作品_ネット公開用

インターネットヤミ市2で手に入れたものたち!!

能動と受動の間,具象と抽象の間にある←,カーソル

TumblrとInstagramは粒度を膨張させることなく,たんたんと同じような粒度の情報が続いていく