告知:第2回 新/視覚芸術研究会 「デジタルメディア時代の視覚と世界変容。出来事、記憶、身体の行方」


8月22日に「第2回 新/視覚芸術研究会」で「デジタル時代の物質性あるいは単にPhotoshopのブラシ」というタイトルで話します.このタイトルはオンラインギャラリー「Panther Modern」の展示室2EVA PAPAMARGARITIさんの展示作品に書かれていた英語を日本語にしたものです.


この言葉を手掛かりに以下の作品を紹介しながら,デジタル時代の「ディスプレイ」のあり方を考えてみたいと思っています.

エキソニモ《Body Paint – 46inch/Male/White》 2015

16,777,216 views
Houxo Que 《16,777,216 views》2015

Tabor Robak《A*》2014

Artie Vierkant《Image Object Tuesday 20 January 2015 4:24PM》2015
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第2回 新/視覚芸術研究会
「デジタルメディア時代の視覚と世界変容。出来事、記憶、身体の行方」

■テーマ
視覚文化のデジタル化はこれまでの「見ることの意味」を侵犯しただけでなく、脱領土化をもたらした。電子化された映像が世界の隅々に行き渡れば、場所、身体、時間といった概念は変化せざるを得ないだろう。オリジナルとコピーの区別はすでに消滅して久しいが、作者と作品という関係が無効されるこうした文化状況は、身体そのものを集合的なものへと再編する契機となるのだろうか。さらに高精細度映像の進展はヴァーチャル化した世界を新たな段階へと押し上げるのかもしれない。出来事、記憶、身体のあり方はどこに向かうのか。変容の過程における視覚文化を再読する。

■日時 2015年8月22日(土) 13時~18時
■場所 デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)
〒651-0082 兵庫県神戸市中央区小野浜町 1-4デザイン・クリエイティブセンター神戸 078-325-2201 (JR三ノ宮駅からフラワーロードを南へ徒歩約10分)

■タイムスケジュール
13時00分 開会ご挨拶
13時10分 土屋誠一 沖縄県立芸術大学
14時10分 前田真二郎 情報科学芸術大学院大学
15時10分 松木綾子 甲南女子大学大学院修士課程
15時50分 休憩
16時00分 ディスカッション
     馬場伸彦 甲南女子大学 (問題提起①)
     水野勝仁 甲南女子大学 (問題提起②)
     土屋誠一 沖縄県立芸術大学
     前田真二郎 情報科学芸術大学院大学
     杉山武毅 ギャラリー・ディレクター(六甲国際写真祭)
17時30分 質疑応答
18時00分 閉会

■報告概要
①「ポストメディウム時代の「写真芸術」再考」 土屋誠一
映像一般の撮影や出力が、デジタル技術の進展とともに、「動画」としか呼びえない状況になっている今日、にもかかわらず視覚芸術の表現形式として「写真(作品)」は、依然としてそのジャンル的集合性を色濃く持ち続けています。20世紀の様々な「写真哲学」において、アナログ時代の写真に対する、ジャンル規定的な理論は、少なからず写真表現の理論的な後ろ盾になってきましたが、「デジタル以後」の今日、理論の前提となるインフラが変化したため、かつての理論は無効になったものが少なくありません。以上のような状況を今一度整理しなおし、ポストメディウム≒デジタル写真の今日的な状況を位置づけることを試みます。

②「再生される肌理/変容する現代映像」 前田真二郎
現在普及しているTVやコンピュータ・ディスプレイの高精細さには目を見張るものがありますが、近い将来、さらなる高解像度の映像方式「4K」や「8K」が一般化すると言われています。それらは、従来方式よりも繊細な描写を実現するといったことだけでなく、新たな表現手法や鑑賞形態をもたらすに違いありません。このような着眼点から現在すすめているIAMAS HDⅡプロジェクトの取り組みを中心に、解像度と映像表現の関係を考察します。

③「私的な写真実践の変容とその記号性」 松木綾子
デジタル技術を契機とし人と写真との結びつきは一段と拡大、かつ多様化しています。最も広範な写真実践である私的な写真は従来、家族を単位に写真は扱われてきたが、現在デジタルメディアの進化により、その単位が個人へと転回しました。先行研究を参照しながら、議論からこぼれ落ちることの多い私的な写真実践を写真論・メディア論の視座から読み解いていきます。

④ディスカッション
問題提起1「デジタル時代の身体とテクノ画像。グルスキー作品において私たちは何を経験しているのか」 馬場伸彦
21世紀はあらゆる次元においてデジタルメディアに媒介し、分散性を特徴とする「デジタルの時代」となった。デジタル化した写真について、ドイツの写真家アンドレアス・グルスキー(1955〜)の作品を取り上げて検討する。画像への意図的な変更を加えた「新しい風景写真」において、私たちが経験しているものは果たして何なのか、という問いを立ててみたい。

問題提起2「デジタル時代の物質性あるいは単にPhotoshopのブラシ」 水野勝仁
オンラインギャラリー「Panther Modern」の展示室2に描かれていた「デジタル時代の物質性あるいは単にPhotoshopのブラシ」というテキストを手がかかりにポストインターネットにおける「ディスプレイ」のあり方を探ります。内容はオンラインギャラリーの作品、3DCGによる作品のモックアップ、ディスプレイに直接ペイントされる作品の事例紹介です。

■本研究会の趣旨
メディアは人間の身体と感覚に大きな影響をもたらしてきた。それは身体の外部を取り囲む「環境」であると同時に、内部の問題である「知」と有機的に絡み合っている。メディアは物理的な生活を変化させ、記号を操作し、「世界の意味」を変容させた。つまり世界そのものを変化させてしまう力をメディア/テクノロジーは蓄えていると言えるだろう。デジタルメディアにおける世界変容の本質は何か、それは視覚芸術においてどのような相貌を見せているのか。アナログからデジタルへと移行する過渡期的な現在において、それを考察することは視覚芸術の分野において決して無益ではない。新・視覚芸術研究会は、デジタルメディア時代における視覚芸術のあり方をテクノロジーの進展と重ね合わせて議論する場である。ここでは、従来の作家論、作品論、写真史観にとらわれることのない多様な議論を期待したい。

■連絡先
新/視覚芸術研究会事務局(甲南女子大学・馬場伸彦研究室)
〒6580001 神戸市東灘区森北町6−2−23 甲南女子大学文学部メディア表現学科 
babanov@konan-wu.ac.jp 

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