SEAN ROY PARKER:VHSそのものの粗さ

Desktop ResidencyでSEAN ROY PARKERの個展が4月17日から5月6日まで開催されている.Desktop ResidencyにいくとSEAN ROY PARKERによる画像があり,左上に「download」がありクリックすると,パソコン,iPad,iPhone用の壁紙がダウンロードできる.右上にはDesktop Residencyについての情報を表示する「about」がある.



SEAN ROY PARKERは映像作家として活躍している.YouTubeに「VHSモード」が(1日限りで?)実装されたけれど,PARKERはVHSで撮影した映像を用いて作品をつくる.だから,当然画質が粗い.PARKERは画質の粗さをVHSという素材そのものだと捉えている.そして,彼はビデオ編集のときによく使われた,画面に画面を重ねる手法をよくつかっている.この編集の仕方による複数のビデオ画像平面の重なりと画質の粗さは,GIFを思い起こさせるものであるが,彼自身は「ネットアート」とは距離をおいている.(→http://www.mintmagazine.co.uk/art/sean-roy-parker/).

VHSという素材そのものが示す「粗さ」と,GIFという画像ファイルが示す「粗さ」を対比させてみても面白いかもしれない.素材そのものの劣化が大きく影響するVHSと,もともと圧縮されており,それ以上劣化することがないGIF.

また,PARKERは「new displays」という画像コレクションのTumblrをやっている.Desktop Residencyで展示されている画像はここからとられている.「new」というところが「new jpegs」や「new aesthetic」を思い起こさせる.自分がやっていることは「ネットアート」ではないが,ネット自体からは大きな影響を受けているという部分がここに現れている感じがする.「new displays」を見続けても何が「new」なのかはわからないが.延々と画像がポストされている感じが「new」なんだとも思う.「延々と」画像がポストされていくこと自体がいまの世界認識のひとつのあり方を強く示している.

このブログの人気の投稿

インスタグラムの設定にある「元の写真を保存」について

メモ_herを見た直後の感想

Poi vol.1 featuring Nukeme

告知:第4回新視覚芸術研究会「デジタル時代の次元の折り重なり」【追記_2017/08/08】

お仕事:メディア芸術カレントコンテンツへの記事_16

授業ノート:ディスプレイ時代の芸術作品_ネット公開用

紀要論文「クリーンな色面に重ねられたテクスチャが生み出すあらたなマテリアル」(追記:2017/09/07)

「Generated X [生成されたX]」の気配

MASSAGE連載11_光/絵具で塗りつぶされたディスプレイ エキソニモ 《201704EOF》、《A Sunday afternoon》

Surfin' に見たふたつのデスクトップ───永田康祐《Sierra》と山形一生《Desktop》