メモ:《グラフィティ@グーグル》について

超群島」展に行ってきた.そこでチームラボの《グラフィティ@グーグル》を見てきた.もちろん他にも作品はあったわけですが,自分の関心から断然この作品が面白かった.グーグルの画像検索システムを「利用」して,そこに「絵」を書いてしまおうという作品です.詳しい説明は,チームラボのページに書いてあります.そのページには,「紙」から「グーグル」へのメディアの変化ということも書かれています.グーグルが「メディア」かどうかは考える必要がありますが,画像「検索」には画像が多く表示されるのだから,そこに「絵」を描いてしまおうという発想はとてもおもしろいです.「検索」で「絵を描く」という行為をつくりだしているのではないでしょうか.ということは,この作品はヒトが様々なメディア及び道具を使って行なってきた「描く」という行為に,あたらしく「検索」という行為を付け加えたと考えられます.「検索」が「メディア」なのか,「道具」なのか,果ては「行為」なのかは,まだよくわかりません.ですが,それら3つが分離していなくて,検索はメディアであり,道具であり,行為なのだと考えるのが,私には一番しっくりきます.

この作品は,上の映像にもあるようにいくつかのバリエーションがあるのですが,それらのグラフィティの表示以上に,「Art Work 6:日記,Art Work 7:グラフィティ@グーグルでわかったこと」というふたつのテキストが興味深ったです.これらは単にグーグル・ドキュメントで書かれたテキストがスクロールしているだけなのですが,「日記」には「グーグルの気持ちになる」とか,グーグルを知るためにグーグルについて書かれた本を読んだりしながら,画像検索のアルゴリズムと格闘している「中の人」の苦闘と思考が書かれています.このテキストを読んでいると「新種の感情」というか,あたらしい思考の仕方がでてきているような気がしてきてます.「思考の仕方」というよりは,あたらしい「思考の対象」と言ったほうがいいのかもしれません.私たちが普段何も考えずに使っているグーグルの画像検索のアルゴリズムを「思考の対象」とすることから生じる感情や思考の流れが「日記」に記録されている.「検索エンジン最適化」という業種の人たちはこういった頭の使い方をしているのかもしれない.こういった頭の使い方は,文章を書く,絵を描くとは異なったものだと思われるのだけれど,プログラミングとは同じような感じなのだろうか,それともちがうのだろうか.
【2位】チームラボ 「超群島度5/妥当性度4」 グーグルと相撲取ってるみたいな人たち。「グーグルの気持ちになる」とか日記の中には新種の感情が満載。しかし完成の絵の内容より日記内のプロセスがおまけみたいにもったいなかった。
https://twitter.com/#!/ooharaa/status/188959861801889792 
超群島のチームラボのやつは、日記とわかったことがいっしょに展示されていたのが面白かった。API化していく中の人のテキストがとても興味深い。グーグルになって考える、という言葉、いいなー
https://twitter.com/#!/mmmmm_mmmmm/status/188172633798492160
(上はTwitterで藤村龍至さんがリツイートしていたもので,私も同じような感想をもっていたので引用してみました.下は展示を見た直後の私のツイート)
最後に,下はのツイートはエキソニモの千房けん輔さんのツイート.
GYREの「超群島」展、チームラボの作品面白かった。こないだのICCの[インターネット アート これから]に是非出してもらいたい系のアプローチ。最後に追加されたJustin Kempの作品ともかなりつながるものだった
https://twitter.com/#!/1000b/status/187130869138464768 
(Justin Kempの作品についてはCBCNETのこの記事) 
確かにそうだと思いました.「ふと気づくと内面が変わっているというようなプロセスをインターネットが作り出していること」を感じさせるような作品が,ポスト・インターネット界隈には多いような気がしてきました.

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